関東の雪はあちこちに交通マヒを引き起こして、月曜日の午後は真鶴道路もものすごい渋滞になりました。
箱根❌西湘バイパス❌東名❌
となると東京方面に向かうには、R135から1国に集中しちゃう。
ご帰宅に5時間以上かかったお客様もいて、本当にお疲れ様でした。
わたしが書くブログ、なるべく明るく楽しく、みなさまが海を満喫できるないようにしようと思って書いているのですが、今日はちょっと違う目線。
というのも、数年前あたりから初めてのボートライフに足を踏み出したお客様が増えていて、そういったみなさまにわたしの失敗談を知っていただくことで、より安全なボートライフを満喫していただけるのではないか、と思ったんです。
みんな!わたしのようなことをしなければ、安全だからねー!

東京湾・横浜から中古艇を回航
あれはこの写真のような、穏やかなべた凪の相模湾で起こりました。
それまでの経緯と、見逃したり気づいたことに蓋をしたりしたポイントを、時系列で書いていきますね。
回航日を変更しました
東京湾横浜にあった中古艇を信頼できる業者さんから仕入れて、お客様へお売りすることが決まり、整備のために岩港に持ってくることになりました。
仕入先がとても信頼できる業者さんだったのと、艇の性能が素晴らしいので、陸送せず回航することに決めたのですが、予定していた日が強風となり、日程を変更したのです。

日程変更した日は、晴れやかな無風の日。
回航日よりです。
当日は業者さんも「今試運転してきて、すごく調子いい。燃料も3/4(燃料メーターの指針)くらい入ってるから、真鶴まで余裕でしょ。」と、送り出してくれました。
何度も言うようだけど、業者さんはベテラン。何度も回航して、フネのことは熟知している信頼置ける方です。
わたしともうひとり、回航を手伝ってくださる方と、予定通り出発しました。
観音崎沖で最初の異変
30分ほど走ったころだったかと思いますが、だいぶ前のことなので、時間の経過はよく覚えていません。
東京湾口、狭くなってフネの往来も多い観音崎沖にさしかかったところで、他船の動きを確認するために、スロットルを緩めました。
すると、ニュートラに入れたところで「ぶるぶるぶるぶるぶるぶる」と、振動が起きたのです。
あれ?なんだろ?この振動???
エンジンがストップするわけでもなく、前進微速に入れると振動は泊まりました。
タコメーターの針も特に異常なし。
ワーニングもありません。
大丈夫かな?と思ってふと燃料メーターを見たら、出発時の3/4あたりの位置から針がうごいていないのです。
あれ?こんなに燃費いいのかな。
それとも、ゲージとかちょっと引っかかってるのかな?と思い叩いてみても変わらず。
でも3/4入ってるって言ってたし、だから給油もしてないし。
故障してたらまずいから、三浦によって給油していこう、ということになりました。
三崎港入港

うらりは三浦三崎港の中にある、プレジャーボートが係留できる施設です。
休憩やお食事、給油など、海からアクセスするのに安心して立ち寄れる場所。
ここで給油して相模湾に出れば、あとは1時間。
係員さんの指示に従って係留しようとした位置は、前後に大型ボートが停まってるスキマの場所。
行こうとした時にまた、ニュートラに入れるとエンジンが吹き上がる異常が起きました。
係留作業にはニュートラを多用して船のスピードを止めてあげないと危険。
しかも前後に止まってる船がいる。
吹き上がるエンジン、スピードを緩められないままだと事故につながる。
エンジンを切って惰性で進むか?
不調が現れてるエンジンで一度エンジンを切ってしまって、再始動できなくなる恐れもある。
頭の中でぐるぐる、ぐるぐる。
そのまま相模湾に出よう。
決断しました。
相模湾も快晴ベタ凪。
メーターは相変わらず動かないけど、エンジンは快調。
どうやらスローにすると症状が出るらしい。
いったい、燃料がどのくらい残ってるのかわからないまま、船は小田原を過ぎて岩港まであと1浬(かいり 1.852km)くらいだったと思う。
静かに静かに、エンジンが停止しました。
最後の息を吐き切るように、スーッと。
完全ガス欠。船を揺すっても再始動できないくらい完全カラッカラ。ベタ凪の海が嫌味に感じるほどの孤独感。
1人だったら号泣してたかもです。
だって、わたしのスマホその時圏外だったから。今はカバーエリア広がってて大丈夫ですけどね。
同乗してくれた方が会社に電話してくれて、助けに来てくれるのを待つ間、青々した相模湾に遊ばれてました。
無事再始動して港に入り着岸、ニュートラの様子を見てやはりおかしいと。
なんとか上架して後日点検修理したら、燃料メーター&センダー(センサー)の故障とニュートラルセーフティスイッチの故障でした。
その遭難以降、回航するときは極力満タン、燃料が目視できるときは確認して出航するようにしていますが、いくらベテランさんの言うことでも、少しでも不安がよぎるようなら、万全の安全策を講じることが大切。
経験から色々な方にお伝えしてるお話でした。
