2月の末になって急に暖かくなり、春も間近になりました。

冬の間、お休みしていたキャプテンたちも、そろそろ海が恋しくなってきているのではないでしょうか?

久し振りに出航する方はもちろんですが、普段から乗船している方も、出航前におこなう点検はとっても大切。

海上保安庁や日本小型船舶検査機構、各メーカーのホームページなどでも出航前点検については詳しく書かれていますので、わたしからは「なぜ、点検することが重要なのか」といった点についてお伝えいたしますね。

リスクを未然に防ぐ

点検のいちばんの目的は、言うまでもなく、危険な状況に自分をおかないようにすること、ですよね。

誰だって、沖に出てから不安な思いや不便な経験はしたくないと思います。

自分の艇やエンジンの状態を知っておくことは、万が一予想外のトラブルが沖で発生した場合でも、マリーナやショップに状態を伝える時に的確な状況を連絡することができます。

ふだんは5000回転以上まわるエンジンが、4000回転くらいで、あがらなくなってしまう、とか、逆に回転は上がるけど船が全然進まない、とか。

では、どのようなチェックを出航前にしておけばよいのでしょうか?

ブッシュのゴムが摩耗で溶けだしたプロペラ

チェック項目とその目的

  • エンジンがかかるか
    皆様かならず見ておられると思いますので、説明は不要ですね。
  • バッテリーターミナルに緩みはないか
    エンジンがかからなかったり、チルト動作ができなかったりしたら、まずバッテリーターミナルの緩みを確認してみてください。
    多少の緩みでもコンピューター制御の新型船外機などは、セルがまわらないときがあります。
    バッテリー容量の不足の場合も同様です。
  • 冷却水はちゃんと循環しているか
    検水口や、トランサムの排気弁から水がしっかり排水されているか。
    船内機・船内外機のラジエーター不凍液の量や、油水分離器からの水漏れなども同時にチェックしてください。
  • ステアリングは正常に動くか
    久し振りに乗るケーブル式ステアリングなど、ロッドが固着しているケースもあります。
    油圧ステアリングでも、シリンダーのオイル漏れでガキガキ音がしたり、締めつけナットの緩みなどがある場合もあります。
  • スロットルレバーは正常に動くか
    リモコンケーブルの劣化や折れ曲がりなどで、正常にクラッチ&アクセル動作が出来ないこともあります。
  • エンジンルームに水漏れはないか
    ふだん見られない量の水漏れなどがあったりしたら、その日は出航をやめる方がいいでしょう。
    ビルジポンプの動作音も確認しましょう。
  • ドレンプラグはきちんと締めこまれているか
    ネジ式のドレンプラグは劣化すると内部で共廻りしてしまい、しっかり締め付け出来ないことがあります。
  • 艇体にキズや亀裂はないか
    当然ですが、前回の出航でガツンといってしまった、とか、もう、速攻メンテですね。
  • プロペラに糸巻きなどはないか、ゴムのブッシュがはみ出したりしていないか?
    糸巻きも心配ですが、ブッシュが滑ってしまう事の方が航行に支障がでます。プロペラが滑ってしまうので、回転だけがあがって速力がでません。
    出航は見合わせましょう

このうち、ドレンプラグの締め込みは係留艇ではしめっぱなしなので、上架艇のみの点検項目です。

プロペラの糸巻きも、係留艇ではなかなか取り外しは困難かと思いますが、係留水面の油漏れなどを確認することで、ギヤオイルやパワーチルトリザーバタンクからの油漏れなどはチェックすることができます。

しょっちゅう自艇を航行させているキャプテンも、めったに出航しないキャプテンも、前回の出航時には感じられなかった違和感や、聞こえなかった異音などがある場合は、ちょっと注意しておきましょう。

長く乗っていると、劣化や不具合が起きていてもその状態が当たり前になり、気づくことが遅れるケースもあります。

海の上でのトラブルをなるべく未然に防ぐためにも、出航前のチェックをしていただき、違和感に気づいたら早めに相談してくださいね。

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