こんにちは
いつもブログを見てくださって、ありがとうございます。
火曜日から吹き続けた西の強風は、今日になってようやく収まってきました。
明日からは、風向きが北寄りに変わる予報になっています。
いよいよ師走、あがいても騒いでも、もう秋から冬になりますね。
エンジン不調で考えること
定期的にメンテナンスを行っていても、機械は調子悪くなってしまうことは避けられません。
経年劣化、部品の故障、外的要因など、原因は様々ですが、どこがどう具合悪いのか?を見極めるうえで、3つの要素を考えることが重要です。
エンジンが正常に燃焼するために必要な要素とは、次の3つがバランスよく働いてくれることです。
- 燃焼空気
- 燃料噴射
- 電気着火(ディーゼルエンジンにはありません)
総運転時間が1600時間を超えたスズキDF20A、最初、セルモーターは回るものの、エンジンがかかってくれませんでした。
3つの要素のうち、エンジンがかからないときに考えることは、電気着火していない?から点検します。
いちばん見やすく、部品価格も安価なものから点検していくのです。
プラグに不完全燃焼の形跡が見られたため、交換。
その際、念のためにシリンダーの圧縮比を点検したところ、低めではあるものの規定値内に収まっているので、シリンダーブロック(エンジンの心臓部)の摩耗や圧縮漏れは考えないことになりました。
プラグを交換して一時はよくなったものの、やはりエンジン不調は変わらず。
次に考えたのは燃料系統の不具合です。
点火プラグに圧縮不足のガソリン付着はほとんどなかったので、噴射系統の動作不良は認められないのではと考え、燃料ポンプ系統と燃料フィルター系統を点検し、高圧燃料ポンプの作動不良が認められました。
部品交換してよくなったのですが、またまた作動不良。
こうなると、最後の燃焼空気を点検です。
思った通り、エンジンが燃焼するために必要な酸素濃度を調整するバルブがさび付いていました。
この部品がISCホース経路にあるソレノイド。動かなければならない部分が錆びついています。
これだと空気の調整がうまくいかず、スロー回転ですぐ止まってしまいますね。
昔のエンジンと違って、スローの回転数を人為的に調整してやっても、コンピューター制御で回転を押さえてしまうので、部品を交換するしかできません。
オーナー様にご説明して、部品交換させていただくことにしました。
コンピューター制御のエンジンなので、点検のためにパソコンを接続して不具合個所を推測することができるのですが、こういった機械部分の不具合は、エンジンコンピューターモジュールには記録されません。
メーカー主催のトレーニングプログラムを受講することや、修理の経験値を上げていくことで、不具合個所を推測して修理していきます。
でも、基本はエンジン燃焼のための三要素を理解することなのです。
オーナー様たちが、安全にボート遊びを楽しんでくださる為に、日夜努力を続けております、なんちゃって。
Enjoy Your Boat Life