スズキマリンJack 岡本美鈴とLighthouseの碧さがし

航行するLighthouse

フリーダイビングってご存じですか?

 

2012年、わたしたちと岡本美鈴選手の初めての出会いは、夏の午後、遠雷が岩港に届いていた暑い日でした。

スキューバダイビングが盛んな真鶴町岩港ですが、タンクを使わずに自身の肺の空気で潜り浮上する競技「フリーダイビング」は未知の世界でした。

いわゆる素潜りであり、泳げる人なら数メートル潜るなんてことは、経験したことがあるかもしれません。

わたしたちが知るすべもなかったフリーダイビングの競技活動を、岡本選手たちは岩港と反対側の真鶴半島南側の海で行っており、さらに活動できるエリアを確保できないか相談に来てくれたのでした。

詳細は割愛しますが、そこからお付き合いが始まり、練習と競技普及ための足掛かりの一つとしてスズキマリンJack「Lighthouse」が誕生することになったのです。

フィッシングボートベースの艤装

フリーダイビングをいかに安全に行い、競技や練習のために使いやすい艤装をするか?

それがLighthouseを仕上げる際のいちばんの課題でした。

Jackは釣りのしやすさを考えてレイアウトされたシンプルなセンターコンソール艇。

艇体の頑丈さも理解していただき、練習や競技に耐える安定性もご希望条件をクリア。

あとはいかに快適に、フリーダイビングを楽しんでいただけるか、です。

釣りのための艤装なら数々の経験があるけれど、フリーダイビングのしやすさを考えるのは初めての経験。

オーナーである岡本夫妻のお話をよく聞くことが、第一であると考えました。

海からボートに上がる際の安全性と使いやすさ、上がった後の快適装備、トレーニング中に使うツールたちの使いやすさ。

ハンドレールの位置やステップの改造など、釣り艤装にはない装備をご提案していきました。

なかでもイケスを利用した清水シャワーはLighthouseを利用するフリーダイバーの皆様にご好評をいただいているようです。

 

トランサムラダー

フネに上がるとき、何が必要なのか

フィッシングボートのオーナー様の場合でも、「万が一、落水した時のためにトランサムステップを取り付けてください。」というご要望は珍しくありません。

つるつる滑るFRP製の船体に手をかけても、落水した身体を支えてフネの上にのし上がることは、相当困難です。

トランサムステップの形状は様々あり、シンプルなものを取り付けることが多いのですが、フリーダイビングのレッスンは使用頻度が頻繁。

そして、釣りでははかない「フィン」の脱着が必ずあるのです。

しっかり掴まることのできるハンドレールと、水の中でフィンの脱着がしやすいように腰掛けるスペースを確保するため、市販のトランサムステップを改造加工して、フリーダイビング用のステップを取り付けることにしました。

MFF

2017年 真鶴フリーダイビングフェスティバル開催

2016年に初開催した真鶴フリーダイビングフェスティバルは、台風発生&襲来により残念ながら海上競技は中止となり、後夜祭のみの開催となってしまいましたが、翌2017年に満を持しての海上競技を開催することができました。

真鶴の碧い海に、エントリーした選手たちが次々と潜っていく様を、わたしたちはそれぞれの持ち場から見守りました。

岡本選手の碧い海、初心者からベテランまでエントリーしたフリーダイビング競技者の碧い海。

支えるスタッフたちの碧い海。

それぞれが見ていた景色は共通の「自然が大好き、海が大好き」という思いがつなげてくれたように思います。

MFF2023

ほんとうの碧にとけこむ競技

2019年の第3回を最後に、2020年からコロナ禍のため大会開催を断念せざるを得なかった3年を経て、2023年、第4回の開催を8月26日(土)に控えています。(記事執筆時は8月20日)

岡本選手が見ている碧い宇宙は、常人がたやすく到達できる深度ではない90mを超す深い海。

ですが、その碧い海を見てきた岡本選手が教える「プールナフリーダイビングスクール」は、真鶴町の海好きの人たちの間に、しっかりと浸透し根を張り、育ってきています。

それぞれが探して見つけて、さらに広めるほんとうの碧。

深く潜れなくてもいい。

自分が到達できる深度でいい。

それぞれが自分の碧い海を見つけに、海に親しんでみませんか?