スズキマリン・エグザンテ「APTⅢ」

2013年3月、岩港に初めてのエグザンテがやってきました。

平塚のマリーナから、回航してきた展示艇をお買い上げくださったオーナー。

その前年、2012年のことだと記憶しています。

お電話で何度かお話した後、インターナショナルボートショーの会場にわたしを訪ねて見えた紳士。

ボートフィッシングの経験がそれまでにそれなりにあって、楽しい思いも怖い思いも、重ねてこられたそう。

命を守るしっかりしたボートと、夢を実現できる釣り装備を望まれ、選ばれたボートがエグザンテでした。

 

 

エグザンテは、少し特徴的な形状をもつフィッシングボートです。

バウデッキが前下がりで、丸みを帯びているので、i-Pilotがつけられない。

水平にしたい取付面が前下がりになってしまうので、スペーサーをかませないとならず、そうするとシャフト長さが微妙に足りない。

船首を風に向けるためには、どうしたらいいいか?

ヤンマードライブ船(サルパなど)に近い形状で、バウ部分に若干のフィンキールがはいっているので、スパンカーと補機で風上を向けさせる作戦をとりました。

当初、補機はDF5(5馬力)を搭載いたしましたが、重めの艇体にはパワーが足りず、のちにDF20に交換。

この艤装にも工夫をして、運転席でメインエンジンと同様に操作できる仕組みにしました。

スパンカーが垂直にたっていることを確認できた画像。

船内機でエンジンの位置が艇中央部にある方が、スパンカーの効率は絶対的にいいのです。

船外機艇の場合、最後尾の船外機が船首回転の中心点になってしまうので、船首が振られてしまう角度が大きくなります。

ですが、少しでも釣りがしやすく、微速で釣りポジションを調整できるようにするための艤装を、ご理解いただいて施すことができました。

それもこれも、オーナーが望む魚との出会い確立を増やすため。

APTⅢオーナーの碧い海は、深海のロマン「アカムツ」を追い求めること。

釣りやすくそして安全性も重視して、健康が続く限りアカムツを求め続けてくださいね。

あなたから買いたい

 

びっくりしたのを覚えています。

え?こんな感動的な言葉を面と向かって行ってくださる人が、いるんだ!

 

そこからご縁が始まって、展示艇が岩港にデビューした日を迎えたのでした。

国内ではスマートで場所をとらないリモコンレバーが見つからなかったので、アメリカから輸入。

キルスイッチやチルトは、スズキ純正パーツを別に取付て、ステアリングはメインエンジンとタイロッドで連結しました。

 

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