今朝はまだ、大したことなかった海の表情。
少しだけ、昨日と違う海の動きは見てとれました。
でもまだまだ、かわいい真鶴の海でした。

朝8時15分ごろは、かすかなうねりがある程度。
それが10時頃になると、うねり届いてきたな、という実感がでてきました。

昼近く、風が強くなってきたと同時に、うねりの波長が短くなってきました。
さて。
うねりとは?波じゃないの?なんなの?
と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。
カンタンにうねりと風波の違いをご説明しますね。
「うねり」とは?|風波との違い
海には「波」がいろいろありますが、“うねり”と“風波”は性質がまったく違います。
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風波(ふうは):
その場で吹いている風が海面を刺激して生まれる波。風が止めばすぐおさまる、短くて荒い波です。 -
うねり(swells):
遠く離れた場所で発生した台風や低気圧の風が作り出した波が、長い距離を旅して届いたもの。
特徴は「波の間隔が長く」「ゆったり大きく上下する」こと。目立ちにくいけれど力強く、岸に近づくと急激に高くなります。
つまり、「台風が今ここにいなくても、うねりはすでに届いている」状態が起こりうるのです。

午後3時過ぎ。
静止画だとわかりづらいのですが、岩大橋の橋げたの向こうに、白い波のラインが見えると思います。
うねりが上がってくると現れる、空気を含んだ泡です。静かな海の時には、見ることがない波の泡。
たとえば、台風が小笠原の南方にあったとしても、
そこから生まれた波は直線距離で1000km以上も移動して本州沿岸に届きます。
この現象は、「波長(はちょう)が長いほどエネルギーが深い層まで伝わり、減衰しにくい」という海の物理特性に由来します。
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長い波長(うねり)は、海底の摩擦や風の影響を受けにくく、遠くまで進む
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海面では「ゆら〜り」と穏やかに見えても、沖では10秒以上の周期で上下する強い揺れに
気象庁ではこういった遠くからの波を「うねり波」と呼び、沿岸部での高波や波浪注意報の原因としても注意を呼びかけています。
おまけに、真鶴の海は超深海(1000m以上)から急激に浅くなっていくどん深の海。
うねりは沖ではゆるやかでも、海底の水深が浅くなる場所にさしかかると急激にその波高(たかさ)を増します。
これは、「波のエネルギーが浅い場所で圧縮されて、上に持ち上がる」という物理現象が原因です。

明日の海がどうなっていくのか。
波や風の予報が出てはいますが、地形や海底の形状によって、その現象がかわってきます。
ある意味、神のみぞ知る、といってもいいのかも。
長くこの海を見つめ続けていますが、いまだに予測は難しいのが自然との付き合いだと思います。