i-Pilotは本当に便利なの?

ここ数年で急速に広まっている「ミンコタi-Pilot(アイパイロット)」。

もう使ってるよ、という方は、言うまでもなくその便利さをよくご存じだと思いますが、「見たことがある」方や、「聞いてはいるけど、ホントに使えるの?」という方、または「自分のフネに付けられるの?」という方もいらっしゃるでしょう。

岩港でも、ボトムフィッシングやジギングなど、フネをコントロールしながら楽しむ釣りを満喫されている方は、ほぼ全員が装着しています。

そんな実例をご紹介しながら、皆様のボートフィッシングにミンコタi-Pilotがどれだけ「楽に釣れる」楽しさをもたらしてくれるかを、ご案内したいと思います。

取付できるボートのタイプ

アグレッサー取付例

ミンコタi-Pilotのシャフト長さが、取り付けられる艇の大きさの限度に比例します。

次にバウデッキの構造、そして艇の重さです。

i-Pilotのシャフト長さは、60インチ(152.4㎝)と70インチ(177.8㎝)。

コントロールヘッドからプロペラモーターまでの長さがシャフト全体長ですが、構成部品の厚みもあるので、有効に使えるシャフトの長さは短くなります。

水面から取付面までの高さが、60インチシャフトで1m、72インチシャフトでも1m10㎝くらいが限界だと思います。

写真のスズキマリンFAVASは、オプションのバウスプリットの先端に設置していますが、ピッチングによってプロペラが水面より上に出てしまう確率も高くなるので、真正面にまっすぐ取り付けることにこだわらなくても効果は得られます。

ヤンマーFX26絆人

上の写真は、岩港で取り付けた最大の大きさ、ヤンマーFX26絆人 26ft艇です。

もともと、スパンカー×表差し板×微速装置(プロペラ回転調整ケーブル)で風と潮に立てての釣りを楽しんでおられたオーナーさまですが、仲間の艇がi-Pilotでぴったりポイントに静止しているのを見て、取り付けられました。

スパンカーとの併用は、岩港では最強の組み合わせ。i-Pilotでバウの方向を調整し、スパンカーが船尾を振られないようにし、風が強いときはメインエンジンの微速装置も活用することで、ほぼ一定の位置に艇をキープできるようになりました。

取付の際に、右舷側のバウレールは切断してあります。

パワーはどれを選べばいい?

230Vantage

ミンコタi-Pilotには、3タイプの推力が用意されています。

12V55lb、24V80lb、36V112lbです。

それぞれ、バッテリーの個数が1台、2台、3台が必要になるわけです。

船外機艇や、12Vのディーゼルエンジンの艇であれば、12V55lbのタイプがエンジンから発電しながら使えるので便利なのですが、写真のボストンホエラーのように重量がある艇は、24V以上のパワーが必要になります。

メインのバッテリーとは別に、陸電設備を使用しての専用バッテリーの充電や、発電回路の別ルート設置などで、i-Pilot用のバッテリー充電方法を設置する必要があります。

また、先にご紹介したヤンマーFX26絆人や、FX27などは、もともとエンジンが24V仕様なので、メインのバッテリーとの共有でエンジンをかけながら発電してi-Pilotを使用することが可能です。

どんな釣りに向いてるの?

ミニマムサイズからMaxサイズ

冒頭でも書いた通り、「フネを停めていたい釣り」には有効です。

岩港(真鶴)は深場釣りが人気ですが、その深場釣りにはもちろん使えます。

もともとジギングメインのオーナー様、最初ボートのジギングを始められたときは、古いタイプ(コンパス内蔵)のミンコタセミオートRT55SPがついていました。

これは方向は自動で調整してくれますが、プロペラの回転は自分で調整しなければならず、リモコンを操作する依存度は高くなります。

しかし、i-Pilotのオートパイロット機能は、方向だけでなくプロペラの回転も自動で調整してくれるので、リモコンを操作する頻度がうんと少なくなるわけです。

そのため、手巻きのディープジギングにチャレンジできるようになり、深場の美味しいお魚が食卓にのぼるようになりました。

210アウトレージとF230HT

餌釣り、鯛ラバ、ヒトツテンヤ、ジギングなど、ポイントにとまっていたい釣りをなさる方なら、どんな釣りでも有効です。

反対に、キャスティングなど、ベイトや鳥を求めて走り続ける釣りがメインの方は、バウデッキに収納されているミンコタ自体が邪魔になる可能性が高いです。

収納状態

これが収納状態なので、キャスティングの時にバウデッキを広く使いたい釣りの方には、邪魔になる確率が高いですよね。

取付が難しい艇

バウデッキの形状が特殊

ほんとうに便利なi-Pilotですが、中小型艇であっても取付が難しい(できない)艇もあります。

残念なのですが、スズキマリンEXANTE(エグザンテ)は、バウデッキが斜めに前下がりになっていることと、水面からの高さが高めなため、i-Pilotの取付には適しておりません。

釣りしやすいセンターコンソール艇なのに、この部分が本当に残念です。

i-Pilotを水面に直角に取り付けるために、ベースを作って取り付けている艇もあると聞きますが、そうするとますます水面からの高さが高くなってしまいます。

36V70インチを取り付けるという方法もありますが、バッテリーの置き場所、充電設備の設置など費用と工夫が必要になります。

バウデッキがクローズ

取付自体が出来ないわけではないのですが、バウデッキが完全にクローズになっている艇も、使用は不向きです。

i-Pilotを使用するためにバウデッキへの移動しようとしても、なかなか難しいですよね。

艇によっては、収納状態をにすること自体ができない形状の艇もあります。

キャビンの天井が高いタイプのウォークラウンド艇

ウォークアラウンドにはなっていても、キャビンの天井がせりあがっているために、収納状態にすることができないタイプの艇です。

こういった場合、あえてスターン側に取り付けた事例もあります。

船首側は風上に向きませんが、ボートの位置をキープすることはできます。

ただ、エンジンをかけっぱなしでの使用の場合(メインバッテリーから電源をとっている場合)排気の匂いが風上から漂ってくることになりますので、匂いに敏感な方はi-Pilot専用のバッテリーを設置することをお勧めいたします。

 

さて、いかがでしょうか?

あなたの釣りに、i-Pilotは強力な相棒になってくれるであろうことが、伝わったでしょうか?

いやいや、まだね、海の上でどんなふうに船をコントロールしてくれるのか?と思いますよね。

次回は海上で、どのように活躍してくれるのかをお伝えしようと思います。

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よくあるご質問をまとめた記事もアップしましたので、ご参考になさってくださいね。

2024年2月26日 若干加筆修正しております。