こんにちは。今日もブログを見ていただいて、ありがとうございます。
今日のブログは、2020年1月25日にアップしたメンテナンス事例の続きです。
だいぶ日にちが開いちゃった続きですが、Vol2ということでよろしくお願いします。
アウトドライブ艇の注意点
係留艇でも上架保管艇でも、ドライブブーツやリモコンケーブルブーツの消耗にはご注意ください。
ドライブの外側をカバーしているプロテクトブーツ、ご覧の通り蛇腹になっていて、ドライブの上げ下げや左右に舵を切る動きに対応しているのですが、ゴム製なので耐用年数があります。
蛇腹の谷部分などに亀裂が入ると、当該箇所を見つけづらくなる場合もあります。
写真のドライブブーツは、艇体側付け根のかなり内側に、若干の亀裂があり、そこからオイルが漏れてきていました。
交換するには、ドライブの脱着が必要なのですが、消耗品の為、いずれかのタイミングで交換が必要となります。
海面に油漏れが確認できたりしたら、ドライブブーツをまず疑ってみてくださいね。
予想と違うところが、詰まっていました
こちらもディーゼルエンジンの事例です。
シリンダーからの排気と、冷却水を外側と内側とに分けて通す「ミキシングエルボー」というL字型の部品があって、そこは構造の特性上、内部に煤がたまったり、腐食を起こしたりすることがままあり、4~5年程度での交換が理想的なのですが、今回はそのミキシングエルボーの先にある排気配水管が腐食を起こしていました。
上が新品、下が6年弱使用した排気配水管です。外側に6個開いている穴を冷却水が通るのですが、排気と冷却水の間の隔壁が薄くなって分離している部分もあり、ここが崩壊してしまうとシリンダー内部に海水が逆流してたいへんな故障になってしまう恐れがありました。
今回、ミキシングエルボーの点検で外したら、こちらの摩耗が見つかりました。
燃焼空気調整バルブ(ISCバルブ)

写真と本文は無関係です。
スローの調子が悪くなった、とか、
エンジンの掛かり(始動)が悪くて、アクセル開けておかないと掛からない、とか、
アクセル戻すと止まっちゃう
などがあった場合、次の3点をまず確認してください。
1.燃料に水が混ざっていないか
油水分離器やベーバーセパレーター内に水が混入していたら、燃料タンクに水が混ざっている可能性が高いです。
2.電気系統
点火プラグ点検はキホンですが、水の混入で点火プラグが湿っている場合もあります。
しっかり点検してもらいましょう。
3..水は混ざっていない、でも掛かりが悪い
燃焼空気系の不良。バイパスアジャストスクリューの調整を行っても掛かり方に改善が見られず、ISCバルブを交換したら一発で治るという事例が、今年何件かありました。
エンジンの年式が古くなってきたら、交換項目に入る部分です。
4.それでもだめ、掛からない場合、販売店にしっかり相談してください。
上に書いた以外にも、いろいろな原因があります。
細かいことをリストアップすると、もっともっとあります。燃料ホースの劣化とか、プライマリーポンプの亀裂、燃料ポンプの不具合などの燃料系統。
イグニッション不良、ハーネス接続不良、セルモーター接続不良、ヒューズなどの電気系統。
スロットルボデーなど空気系統、そして、インペラ、サーモスタットなどの冷却水系統。
そして、どんな状況でエンジンが始動しなくなったのか、その時の状況を説明して頂くことも大切です。
エンジンを切って魚探を使っていたとか、とても単純な原因のこともありますが、逆に致命的で衝撃的な故障が内部で起きている場合もあります。
エンジンは機械です。
ある日突然、「ひー!」ってなっちゃうことも、充分あり得るので、「永久に故障無しで使える」とは思わないようにしてくださいね。
そういったリスクを少しでも回避するために、定期メンテはきっちりやってもらいましょう。