愛すべきヤンチャな大人たちが、週末前の会議中に仕掛けの絵を描き、天気図や黒潮の潮流図を食い入るように見つめていたあの頃。
ちょうどその頃、船外機の世界では2ストロークから4ストロークへ、キャブレター仕様からインジェクション仕様へと構造が進化していく時代でした。
高燃費、始動のむつかしさ、オイルを燃やしながら走る環境負荷から、低燃費でクルマ並みの一発始動、排気ガス規制への適合など、自然の中で遊ばせてもらう「ボートフィッシング」というレジャーを選んだ彼らは、この先の未来の海を大切にという感覚も同時に持ち合わせていたのです。
燃費が良くなったから燃料の心配が、残量の面でも費用の面でも。軽減しました。
ブラウン管の重い画面のGPSと魚探が、液晶になって2つのモニターが一つにまとまり、消費電力も軽減。
バッテリー性能も革新的な局面を迎えることに。
ディープサイクルバッテリーの登場で完全放電しても繰り返し充電が可能に(専用充電器が必要)。
ボストンホエラーのもつ性能を活かしきるための艤装品や電装品を組み合わせて、オーナーの夢を叶える現場作業は、ボート屋にとってもエキサイティングなやりがいをもたらしてくれました。
すべては安全に出かけて、笑顔で帰港するために。
留守宅のご家族が何の心配もせずに、魚を待てるために。
初めて日本に入って来たモデルの臨時航行検査でも、艇内に水を入れ不沈性能の証明をし、合格をもらいそしてほんとうの碧の海へ送り出す。
ボストンホエラーはすべてが完璧なボートではありません。
艤装のしやすさは、国産の単板艇の方がはるかに楽です。
インナーハルとアウターハルの間に充填されたウレタンは、艇の安定性と走りの強さを生み出してくれますが、作業中の手が入らないところが盛りだくさん。
ここはどうなっているんだろう?は、経験を重ねて予想と現実を突き合わせて理解できてきた部分もあります。
だからこそ、やんちゃな大人たちが外洋のうねりや急な潮を乗り越え、時にはカジキを追い、FBフィッシングクルーザーを追い抜き、荒れた海を先頭を切って走って行ける日本のボストンホエラー文化を築けたのだと思っています。
あの頃の大人少年はまだ海を楽しんでいる方たちが、今でも若い思いを消さずに燃やし続けています。
釣り方も、出かける海もあのころとは違うけれど、安全や安心の上になり立っている週末へのワクワクは、変わらずあります。
だって、ボストンだから。