ボート免許を持っている方や、すでにボートで遊んでいる方にとっては、聞きなれているコトバが多いと思いますが、ボートレジャーに興味がある方や、これからボートレジャーを始めましょう、と思っている方には、聞きなれない言葉もあると思います。
陸上の生活では使わない単位や言葉、船、ボートなどに特有の動きや操作の仕方など、知って得することがいろいろあります。
クルマと違うの?

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違うんです。
クルマにあって、フネにないもの。
どんな豪華なクルーザーにもついてないもの。
それは
ブレーキ
船は、波や潮、風の抵抗を受けながら走ります。
アクセル(手で操作。そこもクルマと違いますよね)をゆるめれば、水の抵抗で速度は落ち、いずれ停まります。
停まり方については、小型のプレジャーボートと大型船では格段に違うので、それについては機会があればコンテンツにしますね。
ボートショーなどで、始めてボートに足を踏み入れるお客様の中には、「ブレーキ、ないの?」と尋ねられる方がいらっしゃいます。
クルマを使う陸上生活では、当たり前の疑問ですよね。
アクセルレバーの操作だけで停止&発進するボートとクルマの大きな違いは、まずブレーキの有る無しです。
単位が違う
日本の生活では、長さや重さ、距離、速度はメートル法が基準になっています。
ボートやヨットなど、海上で使う単位は、メートル法ではなく、フィート、ノット、マイルなどのヤード・ポンド法が基準です。

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上の写真のボートは、23フィート、約7mです。
おもしろいのは、ながさはフィートであらわしますが、日本では横幅はメートル表記なんです。
輸入艇のカタログでは、横幅や深さもフィート表記になっています。(カッコでメートル記載があります。)
昔、ニッサンマリーンが製造していた艇は、長さをメートルで表記していましたが、(サンキャット7.7セブンセブン、FS630など)、近年はフィート表記が一般的です。
速さの単位はノット(knot)です。
船に乗っていると、道路を走る車より安定感がないことや、風を感じられたりすることから、ふだん感じているスピードよりうんと速く感じます。
クルマで50km/hといえば、一般道の標準的な早さですが、ノットに換算すると26ノット。
フネに乗ったり操船する方はお分かりになると思いますが、そこそこ速いですよね。
ずっとこのスピードを維持しようとすると、波や潮、風の抵抗を受けたり、安定感がなかったりで、フネによってはかなり緊張が高まる速さです。
向かい風や向かい波によっても、減速を余儀なくされたり、波をまともにうけてしぶきをかぶったり、まれにはハンドルをとられたり、というシーンもあるでしょう。

ベタ凪の海でも
特に、真鶴がある相模湾は、湾と言っても大きな海域。
潮も早くなったり急に天気がかわってしまったりと、海況の変化が一気にくる場合も多くあります。
岩港に保管しているボートオーナーの皆様も、急に風が吹いてきてあわてて帰ってきたり、という経験がおありの方もいらっしゃいます。
今、免許が不要な2HP3m未満の小型ボート、手漕ぎのカヤックやカヌー、SUP(スタンドアップパドルボート)などを楽しむ方が増えていますよね。
免許がないことは違法ではありませんが、免許をとる時に教えてもらえる知識がなく沖にでているわけです。
うちの免許教室でも、気象海象や機関のこと、法律のことなど、沖に行って直面するであろう危険のことや、それを回避するための知識などを重点的に勉強していただいています。
自分はそこまでしか行かないから、とか、今日は静かだから大丈夫と思って出航し、ボートや漁船の動きがわからずに邪魔をしてしまったり、気象の変化に気づけずに遭難したり、という事象が真鶴でも起きています。
静かに思えても、海は海です。
特に、岩海岸や岩港は漁港とその付随施設なので、SUP、カヌー、小型艇の航行は禁じられています。
免許をとって、安全に出航できる環境を整えて、もっとエリアを広げて楽しめるボートライフに一歩前進してみてください。
免許教室やプレスクール(リフレッシュ講習)などで、ボートライフを楽しむ方の初めの一歩を、全力でサポートして応援します。